「それは通り過ぎて葛藤して諦めた三秒間の出来事」

道路に

轢かれてしまった猫が横たわっていたら、

それを拾い上げて埋めてあげられる

そんな事が出来るだろうか。

今日、帰り道。

バイクで通った道で見つけた黒猫。

息があれば

間違いなく僕は、バイクをとめて

駆け寄って

抱き上げられる。したこともある、。

それが致命傷であろうとそうでなかろうと、

息があるうちに

また車に轢かれてしまうなんて

ひどすぎる。

けれど、

亡骸だけ

もう魂と呼べるもののないものに触れるのは

なぜか怖い。

そしてもう死んでるものに対してできることは

本当の意味では、無い、気がする。

ただ埋めるだけ、という事に

自分の勇気が沸かない。

僕は通り過ぎてしまっただけ。

逃げてしまった感覚に近い。

自分のふがいなさに

嫌気がさす。



なにもかも、

自己満足の世界だよ。

別に誰かに褒められたいとか

そんな事はどうだっていいんだ。

ただ、

一歩引いてしまう自分が

無性に情けなくて

そして

今も無残に道路に横たわってる猫

朝に動き出すカラスたちに啄ばまれることを考えると

その猫がとても惨めなものに思えてしまう。
、


次またそんな猫に出会ったら、

僕は行動にうつせるだろうか。

わからないけれど、

出来たら

埋めてあげられるように

勇気を絞りたいと思うよ、。

その惨めさが

少しでもなくなるように。


あと一つ言っておきたい。

轢いてしまったドライバー。

轢くことに罪はないかもしれない。

どうしようもなかったかもしれない。

でも、

そのまま走り去っていくのは

クズだ。


祈れ。